眠り姫はひだまりで【番外編】
アイスを受け取って、僕たちは公園の端にある池の周りに座った。
たくさんの鯉が、池のなかで泳いでいる。
…二年前と、変わらない光景だ。
「どうして、ここのアイスなんですか?」
真っ白なアイスを美味しそうに食べながら、町田さんは鯉を見ている。
僕は、移動販売車のあるほうへ振り返って、目を細めた。
「…中三のとき、受験勉強の帰りとかにときどき来てたんだよ」
夕暮れどき、もう公園に人の姿はほとんどなくて。
それでも、行った。
学校から走って、汗だくになりながら、移動販売車へ向かった。
町田さんはきょとんとした目で僕を見たあと、「…誰かと、ですか?」と言った。
「……そうだね」
僕が小さく返事をすると、町田さんは「あっ」と何かに気づいたように、声を出した。
「もしかして、好きな人!?」
…直球に、くるなぁ。
もう、突っ込む気すら起きないんだけど。