眠り姫はひだまりで【番外編】


「………………」


僕はふと、公園を見渡した。

西日の差す時間帯に、色葉と笑ってアイスを食べて。

大切な、思い出。

僕と色葉だけの、思い出。

…それにゆっくりと、幕を下ろす。

僕はそっと、目をつむった。



「…町田さん」


静かに目を開けながら、いつの間にか鯉に餌を与え始めている町田さんに声を掛ける。

「はい?」

「…ありがと」

呟くように言うと、町田さんはこれ以上ないくらいに顔を明るくして、「いえ!いえ!このくらい!」とぶんぶんと首を横に振った。

その様子に、思わず笑う。

すると、彼女は大袈裟なほど「きゃーっ、笑ったぁ!」と騒ぎ始めた。

「………」

「ああっ、なんですぐ笑うのやめちゃうんですかぁ〜!」

…調子のられると、困るし。


未だに騒ぐ町田さんを横目に、僕は夕焼けに染まり始めた空を見上げた。






「ちよちゃんと付き合わねえの?」


いつの間に、『ちよちゃん』なんて呼ぶようになったのか。

柚木の言葉に、僕は飲んでいたペットボトル飲料を噴き出しそうになった。



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