眠り姫はひだまりで【番外編】
「…先輩、言って下さい」
震えた声が、僕を呼ぶ。
「…本音も、好きだった気持ちも…全部、全部。我慢なんか、させません」
絶え間無く、その瞳からは涙が落ちていく。
まるで、僕の分まで、雫を零していく。
「あたしが全部、聞いてあげる。先輩の好きだった気持ち、誰も知らないまま終わらせるなんて、させない…っ」
激しい感情も、狂おしいほどの気持ちも。
胸に秘めて、絶対に出さなかった。
だって、知って欲しくなかった。
…何も知らないまま、笑っててほしかったから。
「…好き、だったんだよ」
ず、と、鼻をすする。
ああもう、上を向いていないと、目から零れそうだ。
ほんと、勘弁してくれ。
…そう、思うけど。
彼女の言葉によって、唇が動こうとしている僕もたぶん、そんなに変わらない。
「ほんとは、友達のまんまなんか、足りなかった。僕がずっと手ぇ繋いで、隣にいたかった」
ぽろぽろ、ぽろぽろ。
綺麗な思い出の片隅に、僕の汚い欲望が浮かんでいく。