眠り姫はひだまりで【番外編】


もどかしさに唇を噛みながらも、彼のくすりとした笑みを思い浮かべていた。





「お菓子、作ろう」


色葉との帰り道、あたしは決意した。

台所を戦場に変えてしまうこのあたしが、甘ーい手作りお菓子を作ること。

そして、それを裕也くんに食べてもらうことを!

「いきなりどーしたの」

色葉がびっくりしたようにこっちを見る。

ケータイでレシピを検索しながら、あたしは「可愛らしい女の子と言えばお菓子作りでしょ」と言った。

「ちょうど明日から土日だし。月曜に渡せるように頑張るの」

「そ、そっか…えっと、私に何か手伝えることある?」

その言葉を待ってましたというように、あたしは目を輝かせて彼女を見た。

「あり。大ありよ!あたしひとりじゃ、マフィンが毒物になっちゃう」

毒物なんて…と色葉は言うけど、そんな比喩も過言ではないのだ。

あたしひとりでオーブンを使ったら、カップもろとも爆発するかもしれない。


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