眠り姫はひだまりで【番外編】
「そっ、そ、それは…」
「え?違うの?」
「ちっ、違わないけど!」
裕也くんは、くすりと笑う。
…ああ、甘い。
甘くなんかないはずのあたしの胸が、甘ったるく締め付けられる。
それからまた、昼休みが終わる直前まで四人で話をした。
途中でハイテンションな葉が乱入してきたりして、盛り上がった。
水野くんと裕也くんが二組へ戻ったあと、あたしはしばらくぼうっとしていた。
「ふふ、楽しかったねえ。また四人でお昼食べたいねえ」
「……うん」
…甘い、笑顔。
『俺の』だって。
慣れない甘さに、頭が酔う。
なんとなく髪を触ったところで、あることに気がついた。
「あーっ!」
びくりと、隣で色葉が肩を震わせる。
「どっ、どうしたの!?」
「…髪のこと。なんにも言われてなーい…」
馬鹿だ。
あたしが裕也くんの甘さに酔うんじゃなくて、あたしが甘くするんでしょーが。