眠り姫はひだまりで【番外編】


「わー!わかった!!いいよぉ、全然!気にしないで、気にしないで!」

…色葉は今、二組の水野くんと付き合っている。

毎週火曜を、一緒に帰る日にしているらしい。

もっと日を多くしてもいいと思うんだけど、なんか恥ずかしいとか言って、色葉が火曜だけにしたんだと。

「…色葉と帰れる日、月曜と金曜だけになっちゃった。ごめん」

「いいよー!気にしないでって!むしろ嬉しいんだよ私!」

おめでとう、と言って、にこにこ笑ってくれる色葉。

あたしは「ありがとう」と小さく笑い返した後、時計を見てはたとした。

「色葉、あんたそろそろ行ったほうがいいんじゃないの」

「…えっ、あ!」

色葉は時間を確認して、「わー、やばい!」とわたわたしながら片付け始めた。

そして、「じゃあ、行ってきます!」と言って、足早に教室を出て行く。

その姿を見送りながら、ふう、と息をついた。


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