眠り姫はひだまりで【番外編】
付き合ってからも相変わらず色葉と水野くんは、旧校舎の空き教室で穏やかな時間を過ごすことが、日課になっている。
周りにも段々と知られ始めていて、すでに二組の男子のほとんどが知っているそうだ。
まぁ、美男美女カップルだし。
当然嫉妬する女子は出てくるんだろうけど、今の色葉ならきっと大丈夫。
水野くんだけじゃなくて、あたしや大和もいるわけだから。
周りを信じて、今度こそ色葉なりに頑張って欲しいと思う。
やっとこさお似合いの王子様を見つけた親友の恋は、引き続き見守っていくとして。
…問題は、あたし。
あたしの恋愛事情なのだ。
*
「ミオちゃん。これ、食べてみてくれない?」
裕也くんは、女子力が高い。
お昼休みの屋上で、彼が持つには不似合いなタッパーからでてきたのは、野菜炒めだった。