眠り姫はひだまりで【番外編】



…強いて、言うならば。


彼に一度も『好き』だと言われていない、ことだ。





いや、まあ、あたしも言っていないんだけど。


ほら、近頃の若者って『好きじゃないけど付き合ってみる』みたいなことするじゃない?

実際、あたしもときどきそうあるし。

もし彼にとってそうだったら、なんて考えちゃうでしょ。

特に二組の男子なんて、ノリ軽いし。

遊びで〜なんて、考えてそう。

あれ?でも、水野くんの『好きになったら尽くすタイプ』っていう言葉に矛盾するわ。


なんてもやもやと考えながら、廊下を歩く。

お昼に豚キムチを食べたからか、甘いものを口にしたいなあと思って、自販機へ向かっているところ。

うーん、カフェオレとかがいいかな。

甘すぎるものは無理なのよね。


昇降口へ出て、自販機のある右側へ足を向ける。

けれど、自販機の前に見覚えのある人影が見えて、思わずそそくさと後ずさった。

…裕也くん!

裕也くんが、ふたりの男子と一緒に自販機の前で話をしている。


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