【短編】あなたの隣で目覚められたら。
「どうにかして香織さんと近づくきっかけが欲しかったんです。良い感じかなって思ってたのに、弟みたい、って言われるし。俺に彼女いるって勘違いしてるし。だから、嘘つきました。ごめんなさい。」
悲しそうな表情でそう言われたら、正直ちょっとぐらっときた。
「…全然気づかなかった。」
「香織さん、仕事以外のことになるとびっくりするくらい鈍感ですよね。」
「…そうなのかな?」
「そうです。モテてるのに気づいてないし。思わせ振りなことするし。」
そう言った孝二くんは私に近づいてきて、
「俺、もう限界ですよ…」
と小さく呟いたかと思うと、私の体を抱き寄せ、唇を重ねてきた。
彼の柔らかい唇でされるキスは、それはそれは気持ちが良くて、一瞬我を忘れそうになった。
このままではいけないと思い、軽く彼の胸を押して身体を離そうと思ったけれど、逆に手を掴まれ、指を絡めとられてしまった。
だめだ、もう後には引けない。