俺しかいない



美里のクラスの出し物に二時間ほど費やした俺たち。


色んなコスプレがいたが、俺は一応ピ〇チュウの着ぐるみを着た女の子を指名。


誰かと思えば華世ちゃんだった。


「美里さぁ~、ああ見えて尽くすタイプなんだよねぇ~。私たちが付き合ってやんなきゃねっっ♪」



そっと俺に耳打ちする華世ちゃん。


ということで、この出し物は美里の我が儘で成り立ったらしい。









よかったなァ駿。









俺が感傷に浸っていると


「翔くん、あのさ

拓哉くんてどんな人?」



「拓哉?どんなっつったって…」


華世ちゃんは照れくさそうに笑っている。



…もしや



「つかぬことをお聞きしますが…
華世ちゃんって拓哉のこと…むぐ…」



華世ちゃんが俺の口を両手で塞ぐ。



ぐるじぃ~!!

華世ちゃん加減ってものを知らねぇのか!?




俺が目を白黒させているのに気付いたのか、やっと口から手を放してくれた。



「ふぃ~、苦しいって、マジ」


「ごめん、だって恥ずかしいんだもん。」


シュンとして謝る華世ちゃん。


ピ〇チュウの耳?

もそれに合わせて少し垂れ気味。


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