俺しかいない


「美里ぉ~?

誰と話してんだぁ?」


ふいに駿がドアから顔をのぞかせた。


「ゲッ!翔」


「ゲッてなんだよ!?

ぷ…くく…」


「何笑ってんだよ?

…へ?

もしかして美里言ったの?」


「ダメだったの?」



駿の顔が一気に赤らむ。




あぁ、たえらんねぇ~!



「ぶ…あっはははは!!」



「笑うな~!

彼女が可愛いとこくらい誰だって見たいじゃねぇか~!!」



必死で弁解する姿がまた可笑しい。

素直に認めればいいものを。





「あ~ぁ、可笑し。

つか、お前もしかして故意に俺を置いてったのか?」



「ぎくっ!」


「っお前~!!

効果音はいらねぇんだよっ!」



「だって~!

お前今みたいに笑うじゃんかっ!」


「どっちにしたって結果は同じだろがっ!」




俺は駿の首を締めてやった。


まぁ、死なない程度にね。


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