俺しかいない



「桜はその人のこと好きなの?」



「そうだよ~。じゃないと彼氏にしないでしょ~。翔って変なこと聞くね」



そう言ってまた桜はクスクスと笑った。




「そろそろ行かない?私、まだ美里たちに帰ってきたこと知らせてないし…」





「…そうだな」




桜はブランコから立ち上がり、俺の前をさっと通りすぎる。



俺は無意識にその白く細い腕をつかんでいた。





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