俺しかいない
「桜~♪帰ってたんだ~」
美里はもうセーラー〇ーンの格好はしておらず、代わりにピンクのキャミソールを着ていて、思い切り外気に肌をさらけだしていた。
「ただいま。楽しかった?今から参加できるかな?」
「当たり前じゃん、今からが本番!!フォークダンスだよ。翔、桜と踊りなよ」
俺は魂の脱け殻となった体を動かし、やっとのことでここまでたどり着いたのだ。
「俺…見てる」
「なぁに言ってんの!?チャンスよチャンス!!」
小声で耳打ちされたが、やはり踊る気分にはなれなかった。