花びらの舞う冬




家族や友人は勿論、自分の事すら。

なんにも無くなっていた。
どうやって今まで生きてきたのかも、
名前も歳もどういう人間なのかも、全て。

だからだろう。

災難、と言われても、

まるで他人ごとで実際はよく分からない。


医者からいろいろと説明はされたものの特に興味が無かったのでなんとなく相づちだけを打っていた。



ただ──────





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