花びらの舞う冬





「誰なんだ────」



記憶が無くなって一週間。
何もかも起こることが全て赤の他人のようなのに。
毎日見るあの夢だけは引っかかる。


「だいくん。」


俺の名前は室井大輝。

「だいすき。」


夢で見る彼女はそう言って、笑っていた。


そして、



     ──────泣いている。




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