『華國ノ史』
 橋を落とした時点でセブンは気を失いその場に倒れる。


 ウルブス、カトリがそれに気づき必死DE運び出した。


 エイブルスは城壁を飛び下り大剣を振り回し、敵を薙ぎ倒し始めた。


 それに続けとジェノス、教会騎士団が正門を開き突撃を開始。

 
 三日月城塞前の広場は制圧され、橋を落とされ逃げ場を失った煌皇兵は武器を捨てる。


 スピアはくたくたになったサジに治療を受けていた。

 
 1日中戦い続けた両軍の戦闘は終結したのだった。

 
 華國軍は撤退。

 
 最終被害は死者四百名、負傷者百名。

 開戦当初より半数を失ったのである。

 
 しかし、煌皇軍の被害はそれを遥かに上回っていた。

 
 死者四千名。負傷者千名。

 
 たった1日で華國西軍は自軍被害の十倍近い敵を葬ったのである。

 
 中でも逆人の被害は多く魔法都市よりここまででその数を三分の一も失ったのである。


 関所こそ押さえたが、ボーワイルドの大敗であった。


 これにより、西、東共に華國軍の実質的勝利と見る事も出来るが、

 未だにその兵力差は大きかった。


 東では拮抗していたが、西は奇跡的に全滅を免れただけであり、それも時間の問題であった。


 ボーワイルドはこの時、いち早くフェネックを退却させ別行動を命じた。


 フェネック率いる未だに活躍の場が無い騎馬軍五千。

 
 ボーワイルドが乗ってきた船に乗り込み、北へと出向。

 
 セブン達の退路を絶つべく背後へと回り込もうとしていたのである。
 
 

 
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