『華國ノ史』
 劣勢となった華國に助け船がやって来た。

 
 それは北東に位置する島国であった。

 
 何も大陸統一は華國と煌皇国の問題だけでは無かった。

 
 その国の名は「浮雲ノ国」

 
 四方を海に囲まれ、海底火山が多くあった海域にあった為、

 濃霧に覆われる事が多い島国であった。


 その為、過去には幻の島国として語られていた事もあった。


 華國とは海域も近く、ボーワイルド率いる艦隊に強制徴収された恨みもあったので三千の援軍を率い華國北西に着岸した。


 更に過去に幾度か地震災害時、華國から救援を受けていた恩を忘れていなかったのだ。


 大陸地図上では、北東に位置するが、実は西の海域を越えた方が近かった為でもある。


 島国にしてはかなりの数の援軍であったが、大陸統一の命運を分ける戦いであった為、

 浮雲島のほぼ全軍を捻出したのである。

 
 彼等が大陸に到着したのは西関所が破られたその日であった。

 
 彼等は大陸統一後に華國との関係を維持するという目的があった為、

 敗戦は許されなかった。

 
 一度華國に味方する以上、煌皇国から恨みを買う事を覚悟した上での出兵であった。

 
 彼等は後に華國の窮地を救う事になる。

 
 そんな中、敵の猛追を受ける部隊があった。

 その数400人。

 若き魔法使いが率いる三日月城塞守備隊であった。
 
 
 
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