『華國ノ史』

高塔砦の救出戦

 多くを失った第三次華國防衛戦。

 将、兵、魔法都市、守護竜、王都、英雄ウルブス。


 そして東の激戦地でも一大勢力が崩れ落ちていた。


 その時、断絶の盾と呼ばれる山脈東の戦力は拮抗していた。

 実力では華國側が優位に立つが、人海戦術による被害を無視した怒涛の攻めに華國軍は疲弊していく。

 
 更に大陸一の猛将キュバインは少数で華國防衛線を強引に突破する事に成功。

 
 この時の煌皇の被害は甚大であったが、華國前線を歪ませる。

 
 キュバインの強行に端を発した戦いは東の戦況を大きく変えた。

 
 キュバインを追ったのは華國第二王子トリート。

 
 それを追撃する煌皇を迎え撃つのは華國の次期王位継承権第一位。

 
 獅子王子リンスであった。

 キュバインは煮え湯を飲まされたリンスを無視し、国境へと向かった。


 あまりの猛攻にリンスはその場で足踏みを余儀なくされた。

 
 しかし、トリートは山脈勢力の頂点、雪狼族が教える抜け道の案内もあり敵の猛攻を掻い潜りキュバインを追った。

 
 これは作戦を統括していたリンスの指示でもあった。

 
 ここで久し振りの再開を果たした二人の兄弟は、戦場で再開し、また戦場で離れ離れとなった。

 
 

  
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