『華國ノ史』

導き、手を引く者達

　～死霊使いのクラス～

　クロネは自分の得意属性である死霊使いのクラスへと向かっていた。

クロネ(う～嫌だなー)

　クロネは自分の希望特性であったヒーラーになり損ねるばかりでなく、

　むしろ対極に位置するこの特性を嫌った。

　教室に入ると教室には誰もいない。

　授業開始時間になると１人の男がドアを開いて入ってきた。

男
「私がこの死霊使いのクラスを受け持つムクロウだ」

　ムクロウと名乗る男はマントのフードを深く被っている。


クロネ
「…クロネです。宜しくお願い致します」


ムクロウ
「宜しくクロネ、まあ君は20と３年年振りの死霊使いだからね。
　
　見ての通りマンツーマンになるわけだが、心配しなくていい、

　すぐに死霊の友達が出来るさ」

クロネ「嫌ーーー！」

ムクロウ「死霊を嫌っているのかい？
　
　良いことだ。

　闇にとり憑かれずらくなるぞ！」

クロネ
「とり憑かれる？ヒーー」

ムクロウ
「大丈夫、確かに骸使いと呼ばれる事もあるが、

　実体を持たない美しく優しい英霊もいるよ？

　まあ確かに気味悪いゾンビもいるが」

クロネ
「ゾンビ！もう嫌です。
　
　こんなの耐えられない」

ムクロウ
「待て、待て気分を悪くしたかな？

　僕も教えるのは初めてなんだ。
　
　何せ前にいた死霊使いは僕以外全滅したからね。

　今紹介しようか？」

クロネ
「出さないで出さないで」

ムクロウ「ふむ」

　ムクロウは考え込むようにフードを外した。

　短い金髪、高い鼻、切れ長の目、クロネは見とれてしまっていた。

ムクロウ
「そうだなー、ああ！

　これなら可愛いぞ」

　ムクロウは鞄から干し首を取りだし喋らせた。

干し首
「俺リッキー！宜しくな赤毛ちゃん！」

ムクロウ「どう？」

　クロネはムクロウだけ見て「いいかも」と答えた。