『華國ノ史』

自然と少年は青年となる

 日々厳しい生活の中でも時折楽しみや事件が起こり、

 学園生活には飽きが来ない。

 
 そんな楽しみの一つがまず給料日であった。

 
 見習いであっても国家に従事するものとして月に一度、

 一定額の給料が支払われる事になる。

 
 やはり若い訓練生が多いので皆は思い思いにそれを使った。

 
 それを使える場所が多くあったのも、この都市が発達した理由の一つであった。

 
 セブンは故郷を離れる際に母から貰ったお金は使わず、

 また給料と一緒にそれを実家へと送り続けた。

 
 お菓子や玩具、あらゆる誘惑があったがそれを押さえてくれたのはカトリだった。

 
 カトリは給料以外にも仕送りも受け取っており、

 我慢しているセブンを満足させてやる事は造作もなかった。

 
 それ以外にも服はカトリ、ミニッツ&セコンドのお下がりがあったし、

 クロネもよく裁縫でそれを直してくれた。

 
 セブンのこの努力は意外な結果を生み出す事となる。

 
 セブンの父はセブンが帰って来た時に農場と牧場を大きくして残してやりたいと考え、

 父はそのお金で牛と土地を買ったが、それがあまりに順調にいくので人手が足りなくなり多くの人を雇うまでに至った。

 
 元来働き者であった父と母は、

 自ら畑と牧場に出なくて済んだ時間を利用し行商人相手の宿を初めた。


 そこで行商に投資を始めそれが成功し、後に大商人となっていくのであった。
 

 
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