flowergirls library Ⅱ

僕は多重人格


「う・・・・」

「蒼?」

気が付くとA-530が近くに寄ってきた。

「蒼?大丈夫か?」

「は、はい・・・・大丈夫です」

すると、ほっと安堵の表情を浮かべた。

「よかったー。いつもの蒼だ!」

ぎゅーっと抱きつく。

???

「いつもの僕・・・・ですか?」

「そー!ビックリだよ!お前、多重人格者だったんだ!」

「多重人格者?」

コクリと頷いた。

「僕が、ですか?」

また頷いた。

「うぇえい!?僕が多重人格者!?」

「だから、そう言ってんじゃんか!」

「何でそんなこと・・・・」

「だって言ってたもん!アイツら、蒼が知らない蒼!」

多重人格。・・・・思い当たる節が多すぎる・・・・。

「知ってたんじゃないの?」

「・・・・」

「どうなのさ!はっきりしろよ!蒼!」

「・・・・はい。多分、知っていた。んだと、思います」

いきなり怒鳴られたものだからびくついてしまう。

「・・・・ごめん。蒼。怒鳴って・・・・」

悲しそうに俯いた。

「だから、泣かないでくれよ。な?」

頭を撫でた。

「・・・・泣いてるんですか?僕」

「・・・・うん。泣いてる。完璧泣いてる」

認めたくない。が、その証拠として
涙が頬を伝っているのが分かる。

「意味が分かりません」

「俺だって」

そりゃそうだ。なんせ、自分の事、分からないし。

分かるはずもない。

他人なんかに。







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