好き嫌い。
「ひ、久しぶりだね、あの、」


しどろもどろの実里をいとも簡単に黙らせる康太。


「……。」


目線を合わせるように腰を屈めて覗き込まれた瞳は、あの頃と何も変わらない気がした。


「ミノリ…」

「うん?何?」

何故か問いかけに素直に答えてしまう。


「何で居なくなった?俺の前から…」


「え?だって短大行くって」
「聞いてない。」


…いや、待て。

何故言わなきゃならない?
付き合ってたわけでなし、特に仲が良かったわけでなし。


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