好き嫌い。
「簡単に言わないで!」


鍵をかけた心は、そう簡単には開かない。

固く固く閉ざした恋心。


「あたしには結婚する彼氏もいるの!
今更都合よくそんなこと言わないでよね!」


デタラメを並べて逃げる。


もう、康太の近くには居られない。


「じゃあなんでさっき犬に話してたんだ。」

「‼︎」


…聞いてたんだ。


「明日、お前の友達の結婚式、俺はカメラマンとして参加するんだ。

あの…アキって奴から聞いてたんだが。
実里は今でも」

「違うったら‼︎」

どうしたらいいの。


【好き】が溢れて止まらない。


こんなはずじゃなかったのに…。


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