好き嫌い。
「俺は離れてても大丈夫。
会いに行くし、ミノリのこと信じれる。」


…そんな事言われても…。

「ミノリは?俺を信じれない?」


見下ろしてくる康太の表情は柔らかくて。

大好きな笑顔がそこにあって。
鍵を開けようとする彼に逆らう気はなくて。
閉じ込めた想いが一気に溢れ出す。


「信じたい。でも…今はまだわかんない。好きって気持ちだけなら負けないくらいだけど、不安だし、離れたくないし、何より…怖い。」


正直に話すと、康太が思案する顔をした。

「じゃあさ、一緒に住む?」

…は?何を言ってるの?

「俺は自由業だからさ、ミノリに合わせること出来るよ。
ミノリがいる所で、2人で住む場所決めて暮らそう?」

そんな…そんな簡単に済む話なの?

「ミノリ、とりあえずさ、俺のものになってよ。今後の話はそれからでもいい?」


近づいて来た康太の唇が、瞼に、頬に、唇に、触れる。

そこから熱が生まれて、身体中が熱くなる。


「ミノリ…愛してる。」


零れた想いが重なる。


すれ違った気持ちが、ようやく重なった瞬間だった。


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