好き嫌い。
「いけないか?
俺は早く子供欲しいんだ。ミノリみたいな小さくて可愛い子供。

セックスって快楽のためだけじゃないんだよ。わかるか?」


2歳年下の康太が、26歳でそこまで考えてくれていることに驚く。


「そりゃ…あたしも子供は欲しい。でも今は今の状況についていくだけで精一杯よ。まだ始まったばかりで…」

歩きながら俯いていると、康太の笑う声がした。

何で笑うの?


「そこまで先を考えるという意味なんだけどな。ミノリは真面目だな。」


繋いだ手に力を込め、康太は言う。


「いずれそうなるよ。ミノリが奥さんで、子供のママ。俺の大切な家族に。」


嬉しくない訳が無い。


そんな言葉を貰うなんて、あの頃のあたしは思いもしなかっただろうな…。


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