好き嫌い。
「ミノリ、大丈夫か?」


式場のスタッフが気を利かせて冷えたタオルを手渡してくれた。


瞼に押し当てくちゃくちゃになってしまったメイクと共に瞼の腫れを取ろうとする。


「嫌になる…アキちゃんってばもう。」

「いい友達だな。」


椅子に座った実里の横に座ると、康太は実里の肩を抱きしめた。


「嘘じゃないから。必ず幸せにするから、ついてきて。俺はもう、ミノリじゃないとダメだ。」

顔を上げた実里の唇にキス。

「信じて。俺のこと。信じて、俺に愛されてる自分のこと。」


頷くので精一杯だった。


< 62 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop