好き嫌い。

その2

付き合い始めてから数ヶ月。


父親からの許可がなかなか出ず、ふたりは別々の暮らしを余儀無くされていた。



仕事をしていれば、悲しい思いもせずに済む。

実里は以前よりも増して仕事に没頭していた。


小さな会社だが、経理などの管理から雑務まで任されていた実里。


日々仕事に困ることなどなく追われていた。



8月のある日。


夏季休暇が1週間、まとめて取れた。

康太にメールを送ったが、返事がない。
撮影で忙しいのか、作業に没頭しているのか。


とりあえず地元に、康太の元に帰る事を決めた。


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