好き嫌い。
「だーかーら、それが人にものを聞く態度なわけ?だから青二才だっつってんの。」


関家さん…もしかして、康太をここに呼ぶつもり?


「…場所教えてください、ミノリ迎えに行きます。」

「簡単に教えてやるかよ。

海、喫茶店。そのヒントでたどり着けたら返してやるよ。
たどり着けなかったら、実里ちゃんは俺が貰うね。」


通話終了ボタンを押し、携帯を返される。


「色々事情はあると思うけど。
俺がアドバイス出来るのは、信じることも愛だって事。」


笑いながら言う関家さん。
悪い人じゃないってことだけはハッキリした。
あたしと…康太が白黒つけれるように導いてくれてるんだ。


…応えなきゃ。



「辿り着きます…だってカメラマンだから…風景や景色を沢山記憶してるはずだし。地元だし…。」


携帯を見つめて。


康太からのメールを開く。



【ごめん。】


【殴ってくれていい、罵ってくれて構わない、だから逃げずに戻ってきてくれ。】

【愛してる】


【嫌いになったなら嫌いっていってくれ。】


【どこにいるんだ?変なこと考えたりするなよ】



ずっと似たようなメールばかりが届いていた。


どうしたらいいの?


< 78 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop