好き嫌い。
「青二才が辿り着くまでの間にさ、話そうか。
君の事、彼の事。
俺は失敗してしまって後悔してるから、君には後悔して欲しくないんだよね。」


「あたしの事?」

ソファに座りニコリと笑う関家。

「そう。実里ちゃんはなんでそんなに彼を信用できないの?
過去になにかあった?」


促されて隣に座る。

「…好きだって言ったら【冗談じゃねぇ。】って。中3の時に。でもほんとは好きだったって…何が本当で何が嘘なのかわからなくて。

あたしの方が2つ年上だし…彼の周りには綺麗なヒトが沢山いたのに、何であたしなのって…。」


そこまで言うと声にならなくなる。


何故康太は自分を選んだんだろう。


何故康太は他の子と浮気しようとしたんだろう。


「君は自分に自信が無いんだね。
女性としてこんなに魅力あるのに。」

関家の言葉が胸に染みた。


そうだ、あたしは自信が無い。

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