危険なキス
 
《じゃあ、もう勉強に専念できんだろ》
「え…?」
《片想いのやつよりも気になることが出来て、気になるやつは好きでもないやつなんだからよ。
 そのうちすぐ忘れるよ》
「……」


そう言われて、涙がこぼれそうになった。

告白したわけじゃないのに、まるでフラれた気分だ。


《じゃあ、紫乃。
 受験、頑張れよ》

「せんせっ…待って!」


あたしの引き留めはむなしく、電話はそのまま切れてしまった。
 
< 101 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop