危険なキス
 
次の日、まだ微熱が残っていたので、あたしは大事を見て1日学校を休んだ。

そして安静にしていたせいか、すっかりと熱は引いて、2日後に学校へ向かう。
今まで学校を休んだことがないせいか、登校するのにちょっとだけドキドキした。


教室に入ると、あたしの姿を見つけて一目散に麻衣子がやってきた。


「紫乃!もう大丈夫なの?」
「あ、うん。ごめんね、心配かけちゃって」
「ううん!そんなの全然大丈夫だよ!」


麻衣子は本当に心配してくれていたみたいで、あたしの手をぎゅっと握って笑顔で答えた。

そしてそのまま一緒にあたしの机に来る。


「ノート、紫乃に見せるために、いつも以上に張り切ってとったんだよ」
「そんなの気にしないでいいのに……。でもありがと」
「うん!」


嫌味や文句の一つも言わないでそう言ってくれる麻衣子に、本当にこの子はいい子なんだな、ってつくづく思った。


なんかこんだけいい子だと、楠木が好きになってもおかしくないや。


なんてことを、改めて思った。


しばらく麻衣子と雑談していると、予鈴が鳴って、湯浅先生が教室へ入ってきた。
 
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