危険なキス
「だから絶対に、拓也と幸せになってよねっ」
「う、うん……」
じりっと詰め寄り、念を押してくる麻衣子。
返事はしたけど、本当は後ろめたさでいっぱいだった。
麻衣子のためにも、あたしは楠木とうまくやらないといけない。
自分の気持ちを押し殺してまで、あたしの背中を押してくれたんだから……。
あたしは、もうすでに誰もいなくなっている教卓に目を向けた。
触れられなくなってから
もう2週間が経つ……。