危険なキス
「やっぱ、無理ですよね……。
すみません、また機会があったら……」
《俺んち》
「え?」
悲しい気持ちを抑えながら、電話を切ろうと思ったら、先生が言葉を遮る。
そして思いがけないことを続けた。
《明日、1時に駅に来い。
俺んちでいいなら、教えてやる》
「え!!」
《用件はそれだけだな。じゃ》
そしてあたしの答えを聞く前に、先生は電話を切ってしまった。
えっと……
つまり先生は、結局勉強を見てくれるってことだよね……?
理解するまでにちょっと時間がかかり、
そして場所が先生の家、ってことに急にぼっと熱くなった。
勉強……出来る気がしない……。
あたしは高鳴る鼓動を抑え、勉強に専念した。