危険なキス
 
「お前は集中力の問題だよな」
「え?」
「雑念が多いと、結果がそのまんま出る」
「あ……」


確かに先生の言うとおりだ。

集中してしまえば、周りの音も聞こえないくらいになってしまうのに、つい何かが気になると全然集中できず、ミスばかりしてしまう。

こんなでも、やっぱりちゃんと見ててくれたんだな、って改めて思った。


「じゃ、ご褒美やらねーと」
「え?」


途端に後頭部を引き寄せられる。

それと同時に、渡されたばかりの答案用紙も抜き取られた。


「今度は妨害なんかさせねーよ」

「せん……っ…」


なすすべもなく、口づけられる唇。


前の時のように、口と口の間に、答案用紙が挟まることはなかった。
 

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