危険なキス

「あ……っと、うん……。今日、家庭教師の日だったんだよね。
 今思い出して、急がないと間に合わないから……」
「なんだよ…。だったら一言言えよな」
「……ごめん」


あたしの返事を聞くと、つまらなそうな顔をする楠木。

そんな顔されると、したくもない期待をしてしまいそうだよ……。


「く……」


名前を呼ぼうとした瞬間、楠木のずっと後ろに一つの影が見えた。

そこにいるのは、麻衣子だ。
 
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