闇に咲き誇る桜







土方に連れられて、近藤さんの部屋へ続いているであろう長い廊下を歩いていると、突然振り返った。



土「お前さっき言ってたことに偽りはないな?」



そう聞きながら、鋭い視線が真実を見極めようと睨みつけてくる。


全て本当のことを話すわけないだろ?

この手の嘘は得意なんだよね。





でも不思議だ・・・。

そんな嘘も、ここでは罪悪感にさいなまれる。

俺は偽りの中で生きてきたようなものなのに。





・・・それでも、本当のことを話すわけにはいかない・・・。



夜「はい。すべて真実です。」




すると土方は、ほっとしたように少しだけ目元を和らげたため、すごく驚いた。



他の人なら気づかないかもしれないほどの小さな変化・・・


それだけでも十分わかった。








ああ、この人は本来とても優しい人なんだな・・・







*
< 58 / 152 >

この作品をシェア

pagetop