Produce!〜高校デビューしませんか?〜




授業を受けていても上の空だったのだろう。
教師に小突かれたのは一度や二度ではなかった。



普通ならクスクスと笑い声が聞こえても可笑しくないのに、
この教室からは授業を中断させるなよ。と、無言の圧力がかかるから息苦しい。



それでも、授業に集中は出来なくて、
5時間目の数学の時間には教師から「朝比奈、放課後職員室な」と、肩を叩かれた。


ーーなんて日だ。



授業が終わると、柊くんが私の席まで走って来てくれた。


「真衣、大丈夫?」

「うん、先生のとこ行くの憂鬱だけど…
大樹、待っててくれーー」

「俺、今日は塾だから。じゃ」



ファイト!

と、柊くんは古い励まし方をして去って行ってしまった。



ーーなんて日だ。



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