太陽と月



「瀬川~」

「はっ、はい!!」



そんな姿に見惚れていると、急に名前を呼ばれて姿勢を正す

すると、空を仰いでいた大西主任がゆっくりと右手を空に向けて指さした




「空、見上げてみ?」




ポカンとする私を横目に、気持ちよさそうに笑ってそう言う大西主任

その言葉を聞いて、言われたままに空を見上げた

すると




「――わぁ」




思わず出る溜息

目の奥が痛くなるほど眩しい太陽の光



それでも



目の前に広がるのは、雲一つない真っ青な空

まるで絵具の青をそのまま零したみたいに、鮮やかな青



周りに大きなビルがないからか

とても広く感じる



青い空

どこまでも広がる、青い青い空


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