太陽と月
床一面に広がるウエディングドレス
真っ白の大理石の上でキラキラと輝いている
それらをすかさず纏めて、たくし上げる
えっと、たしか下の方で持って...
足が見えない様にするんだったよね
以前衣装部の先輩に教えてもらった事を思いだす
持ち上がり過ぎて、パンプスが見えない様に低姿勢でドレスを持ち上げる
言われた通りそうやって、低姿勢のまま会場を進む
元々身長の低い私は、あまり醜い姿勢にならずに進む事ができた
順調に前に進んで、あと少しで高砂
でもそんな時、不意に直接スポットライトが瞳に当たって目の前が真っ白になった
眩しいっ
思わずギュッと目を瞑った、その瞬間――
「え...わっ! きゃっ」
真っ白になった世界の中で
足元に何かが引っかかった
そして、そのまま一気にバランスを崩して
前のめりに転んでしまった