太陽と月


カツンとパンプスの落ちる音がした




膝に走る鈍い痛みに顔をしかめながら、未だ真っ白な目の間を見据える

すると、徐々に色を取り戻していく世界



そして、見えたその光景に

思考が止まった




さっきまで、そのまま何事も無い様に進んでいた新婦さん

それでもドレスの裾を引っ張られて、私と同じようにバランスを崩していた




そうなったら

もう分かるだろう




今、目の前で起こっている事は

一体誰のせいか




私と同じ様に前に倒れ込んだ新婦さん

地面スレスレの所で新郎さんに抱き留められて止まっていた



一斉に集まる視線

驚きと羞恥で顏が真っ赤になっている新婦さん



そして



反比例する様に、真っ青になっている私


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