最大の出来事
 それから待っていた休みがようやく来て、育実と一桜、璃穏、友希、潤一、悠はショッピングモールへ来た。

「人が多いな・・・・・・」

 友希はショッピングモールの中の人の多さに顔を顰めている。

「本当だね。育ちゃん、はぐれちゃ駄目だよ」
「はぐれないよ・・・・・・」

 璃穏にからかわれたので、育実は一桜にくっついている。

「ちょっと、いじめないでよ」
「心配しているだけだよ」

 先にどこから行くか相談して、CDやDVDを売っている店に入ることにした。
 友希と潤一が前から欲しがっていたDVDがあったので、それを買いにレジへ行った。
 璃穏と悠がCDを見ている間、一桜は育実にいつ告白をするのか、小声で質問をしてきた。

「そんなの!できないよ・・・・・・」
「白沢、前より明るくなったから、気になっている女子が増えているよ。伝えたいことはきちんと相手に伝えないと!」
「そうなの!?」

 知らなかった情報を聞いて、育実はかなり驚いた。
 そんな育実に一桜が告白をするように言っていると、璃穏と悠がこっちに来た。

「何二人で話しているの?」
「女同士の話よ。ね?育実」
「そうなの!」

 内緒にしたことで、璃穏と悠は内心気になっていたものの、それ以上深く入ろうとはしなかった。
 DVDを買った友希と潤一が戻ってきたので、店を後にする。
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