君がいないと落ち着かない

そのまま30分ぐらい部屋で過ごして、夕食の5分前には鍵を閉めて階段を下りた。早く来ていた人達は、アルコール消毒をしてクラスごとに分かれたテーブルに腰を降ろしていた。
背もたれと椅子には青の布のクッションが埋め込まれ、テーブルには水の入ったボトルが結露を付けて置いてあった。各椅子の前には割り箸と空のコップが逆さになって置いてあった。4人席を連ねてテーブルクロスの掛かった真ん中には鍋が蓋をしたままあり、小さな穴から白い息を吐き出していた。
「全員揃ったら、いただきますしてご飯と味噌汁を貰ってなー」
担任の若干訛りの入った口調で言った。忍達が席について3分程で、クラス大半の人が集まりそのまた3分後に残りの男子がやってきた。夕食はれー子達だけでなく、他の女子とも話をした。絶え間なく続く話に喉がカラカラになり、麦茶をコップ6杯も飲んでしまってお腹がタプタプになって鍋の中はすき焼きが全く食べれなかった。


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