ミカンとおれんじ ~High School~
「へぇ、綾場さん、ピアノ弾けるんだ」


秋梨くんが感心するように言う。


その言葉に頷く綾場さん。


萩尾くんは、あたしが前から話してたので知っているため、そこまで反応はしなかった。


「弾いてくれないかな?」


萩尾くんがそう言うと綾場さんは自分の手をそっと見つめた。


「できるのかな、アタシに」


綾場さんはそう呟くと、手を強く握る。


「......弾くのを純粋に楽しんでも、良いのかな。今まで弾いてたのは、精神安定剤みたいなものだったから」


今までの綾場さんは、音楽を楽しむ事さえ、自分自身が許していなかったのかな。
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