ミカンとおれんじ ~High School~
屋上へと続く階段を下りる。


――――カタン......カタン......


足音が、階段の高い天井に響く。


屋上に着き、ドアに手をかけた時......


「......あれ?」


あたしは、ドアを開こうとした手を止めた。


誰かの声が聞こえたからだ。


「......キミの......は――――......」


小さく聞こえるその声に、耳を傾ける。


「歌声......?」


あたしはそう呟くと、そっとドアを開いた。
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