ミカンとおれんじ ~High School~
「誰もいない......」


しかし、歌声ははっきりと聞こえる。


あたしはしばらく、姿の見えないその人の歌声を聴いている事にした。


「キミに――――......」


――――ドキン......


あたしはその歌を聴いている自分の胸が、高鳴っていくのを感じた。


だって、その歌声は――――......


何だか力強くて


芯があって


でも、何だか優しくて、甘い......


そんな歌声だったから――――。
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