闇ノ花

目的を持て



──
───
────



「──嫌だっ!」





叫んで、がばっと起き上がる。


途端に聞こえる風の音。


差し込む太陽の光。


乱れる息。


尋常じゃないくらい暴れる心臓。


ぐらぐらと揺れる頭。


何、今の夢……。


何なの?


痛む頭を押さえ込む。


あの女の子……。


──何故か、私と重なって見えた。


だけど、深く考えようとすると、ふわりと雪が溶けるように消えてしまうのだ。


何を考えても無駄。


全て……消える。


まるで、私が何かを思い出す事を、拒んでいるかのようだった。




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