闇ノ花
「……小松?大丈夫か」
「え?あ、うん……」
隣の布団で寝ていた山崎が、私の顔を不安げに見てくる。
「大丈夫」
「……?そうか?」
「本当に、大丈夫だから……悪い夢を見ただけだよ」
ぐーっと、伸びをする。
忘れよう。
忘れたい……あんな夢。
怖い。
だけど、あの二体の死体は見た事がある。
まさか、私のお母さんとお父さん……?
いや、何でそんな風に思ったんだろう。
そんなわけない……矛盾している。
だってそうしたら、あの女の子が私だっていう事になる。