闇ノ花
「……」
あれ……?
私、さっきまで何を考えていたっけ?
思い出そうとしても思い出せなくて……。
首を傾げながらも、山崎の方を向く。
「ねぇ、もう私、具合良くなったから。今日から仕事やるね」
「……大丈夫か?無理はするな」
「だっ、大丈夫だってば!」
そう言うと、山崎は仕方なさそうに小さく息をつく。
だけど本当にもう大丈夫。
池田屋事件からもう、何日も経っていた。
怪我もしていない私が、仕事もしないでこんなに眠っているなんて……そんなの、他の人には迷惑な話だ。