闇ノ花




「ねぇ、山崎」


「ん?」


「沖田さんは……?」





あの時、微かに聞こえた誰かの咳。


聞き間違えでありますようにと、願っていた。





──労咳。





現代で言う肺結核が、どうして沖田さんを襲うんだろう。


何も悪い事はしていないのに。





「……いや、沖田さんは大丈夫だ」


「本当に?倒れたり、しなかったの?」


「……」




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