闇ノ花
鈍い音と同時に、男は顔を僅かに歪めた。
少しよろけた隙に、また数メートル距離をおく。
どうしよう……苦無も、もうそんなに残っていないと思う。
忍装束の時はたくさん持っているけど、今は普通の着物だから。
「次で、終わりだ」
……!
刀が、どんどん近付いてくる。
苦無で押さえようとしても支え切れず、私は地面に転倒した。
鈍い痛みが、再び膝を駆け抜ける。
ふと、男を見ると……少し笑みを浮かべて、また私に刀を振り下ろした。
もう駄目かもしれない。
死を悟った瞬間、背中に鋭い痛みが走る。